ジークアクス』とは何か？アニメ最新作のあらすじ・世界観・キャラ徹底紹介！

 

2024年に登場した最新ガンダムシリーズ『機動戦士ガンダム ジークアクス』は、これまでの宇宙世紀シリーズの中でも異色の作品として注目を集めています。

物語は一年戦争の末期、ヨーロッパ戦線を舞台に展開され、ジオン側の視点から戦争のリアルを描き出します。

この記事では、『ジークアクス』のあらすじ、設定、登場人物、宇宙世紀との関係まで徹底的に解説します。これから視聴する人も、すでに見始めている人も必見の内容です。

『ジークアクス』のあらすじは？一年戦争の“地上戦”が描かれる物語

『ジークアクス』は、宇宙世紀0079年、いわゆる「一年戦争」の末期を舞台に、地球の東ヨーロッパ戦線で繰り広げられるジオン公国と地球連邦軍の戦闘を描く物語です。

本作ではこれまであまり描かれてこなかった“地上戦のジオン視点”に焦点が当てられており、戦争の理不尽さと兵士たちの心理に深く切り込んでいます。

華やかなエースパイロットの活躍ではなく、一兵士たちが“自分の正義”を貫こうと葛藤する姿が強調されている点が大きな特徴です。

舞台はUC0079、ジオン支配下の東欧戦線

ジオン公国は地球の支配を拡大するため、各地で連邦軍と激しい戦闘を展開していました。

その中でも東ヨーロッパ戦線はジオンの占領下にありながらも、連邦軍による反攻作戦の標的となり、前線は混迷を極めます。

本作の物語は、この地域に派遣されたジオンの複合部隊が、連邦軍に奪われた重要基地を奪還すべく出撃するところから始まります。

主人公はジオン兵「イリア・ソラリ」率いるレッドウルフ小隊

主人公は女性指揮官イリア・ソラリ。彼女は「レッドウルフ小隊」というモビルスーツ部隊を率いて前線に赴任してきます。

彼女の部隊には個性豊かなパイロットが揃っており、それぞれが異なる信念や葛藤を抱えながら任務に挑みます。

戦闘だけでなく、兵士同士の衝突や友情、ジオンという国家への疑念も丁寧に描かれ、戦場のリアルが浮き彫りにされていきます。

地球連邦の奪還作戦とMS部隊の攻防を描くストーリー

連邦軍は奪還した基地を死守しようと、地上用モビルスーツや車両部隊を投入し、激しい応戦に出ます。

ジオン軍はモビルスーツによる夜間奇襲や地雷原突破といった、リアルな地上戦戦術を駆使して拠点奪還を目指します。

戦闘の中で明かされていく部隊の過去、そしてイリアの秘密が物語に緊張感をもたらし、ガンダムシリーズとしても異色の「戦争劇」へと発展していきます。

『ジークアクス』の世界観｜宇宙世紀のどこに位置する？

『ジークアクス』は、宇宙世紀0079年、すなわち「一年戦争」期の物語であり、初代『機動戦士ガンダム』と同じ時代軸に位置づけられています。

ただし本作は、連邦軍やアムロ・レイを中心に描かれた従来の作品とは異なり、ジオン軍の“地上戦”に完全フォーカスしたストーリーである点が最大の特徴です。

いわば、正史の裏側で起きていたもうひとつの戦争を描いているとも言えます。

正史と並行する“もうひとつの宇宙世紀”

本作は公式に「宇宙世紀シリーズ」と位置づけられており、『機動戦士ガンダム』や『第08MS小隊』と同一の時間軸で展開されます。

しかしながら、主人公たちが関わる戦場は地球の東ヨーロッパに限定されており、本編で描かれたサイド7やジャブロー、ソロモンといった主要拠点とは直接交差しません。

そのため、『ジークアクス』は宇宙世紀正史の空白を埋めるような、補完的エピソードとして評価されています。

地球戦線にフォーカスしたリアル志向の戦記物

本作では、モビルスーツの出撃ひとつにしても補給線や地形、天候などの要素が描かれており、戦場のリアリズムが徹底されています。

このような演出により、『ジークアクス』は単なるロボットアニメを超えた「戦争劇」としての重厚感を獲得しています。

『第08MS小隊』や『サンダーボルト』との共通点

リアル志向の地上戦、兵士の個々のドラマ、視点の反転といった要素から、『ジークアクス』は『第08MS小隊』や『機動戦士ガンダム サンダーボルト』と並び称されることもあります。

どちらも“主役機がガンダム”でありながら、戦争の闇や兵士の心理に深く踏み込んだ作品です。

その流れを受け継ぎつつ、完全にジオン側の視点から描かれる『ジークアクス』は、シリーズでも異彩を放っています。

主要キャラ紹介｜連邦とジオン、双方の登場人物たち

『ジークアクス』では、ジオン軍を主人公とした視点で物語が進みますが、地球連邦軍や民間人たちにも焦点が当てられています。

それぞれの登場人物が独自の背景や価値観を持っており、善悪で割り切れないリアルな人物像が本作の魅力です。

ここでは、ジオン軍・連邦軍・民間人の代表的キャラクターたちを紹介します。

【ジオン軍】イリア・ソラリ、クネーランド、カイルなど

イリア・ソラリはレッドウルフ小隊の女性指揮官であり、本作の主人公。

冷静で有能な指揮官である一方、母としての顔も持ち合わせており、戦場における「母性」と「軍人としての責任」の間で揺れる姿が描かれます。

部隊には、口数が少なくストイックな副官クネーランドや、陽気なムードメーカーカイルなど、タイプの異なる兵士が在籍しています。

彼らの個性と信念が、小隊の団結や葛藤を生み出していきます。

【連邦軍】カール、ショーン、マーフィーなど

地球連邦側にも独自の正義を持った兵士たちが登場します。

中でもカールは、家族をジオンの攻撃で失った過去を持つ兵士で、復讐心と任務の狭間で苦悩する描写が印象的です。

また、冷徹な判断を下す戦術家ショーン、現場に寄り添う人情派のマーフィーといったキャラも登場し、「連邦＝正義」ではないことがリアルに描かれています。

【市民や家族】物語に深みを与えるサブキャラクター

戦場を舞台にしているとはいえ、一般市民や兵士の家族も重要な存在です。

イリアの息子や、避難先で生活する民間人、補給部隊で働く整備兵たちは、直接戦うことはありませんが、戦争の犠牲者でもあります。

彼らの登場は、戦争の非人道的な側面や、「生き残ること」の尊さを強く印象付けています。

このように、『ジークアクス』はメカや戦闘だけでなく、人間ドラマに深く踏み込んだ作品として構築されています。

シャアやアムロは登場する？宇宙世紀の主要人物との関連性

『ジークアクス』は宇宙世紀0079年を舞台にしていることから、多くのファンが気になるのが、「アムロ・レイ」や「シャア・アズナブル」といった宇宙世紀の中心人物が登場するかどうかです。

結論から言えば、彼らが直接本編に登場する描写は現在のところ確認されていません。

しかし、彼らの存在や象徴的な要素は、物語の背景や演出の中で間接的に色濃く反映されています。

シャアの影を感じさせる“赤い機体”とジオンの象徴性

本作では「赤い塗装のモビルスーツ」が登場し、視聴者の間では「シャアの存在を示唆しているのでは？」と噂されています。

ただしその機体は、シャア専用ザクとは異なる設計であり、“赤＝エース”というジオンの象徴として用いられている可能性が高いです。

また、キャラクターのセリフの中で「赤い彗星」や「グラナダの英雄」といった語が登場する場面もあり、シャアの存在は“伝説”として描かれているようです。

アムロに関する言及や連邦の主力部隊との接点

一方、連邦軍側でもアムロ・レイに関する直接的な描写はなく、彼の乗るガンダムも登場しません。

ただし、地球降下作戦を成功させたエース部隊の存在や、連邦軍の技術進歩に関する描写が、アムロが戦っている舞台の外側を意識させる演出として配置されています。

また、部隊の中には「ガンダムが宇宙で暴れてる間に…」というようなセリフもあり、彼の存在が同時進行で進んでいることを示唆しています。

宇宙世紀全体とのつながりと“もうひとつの戦場”

『ジークアクス』は、宇宙世紀の戦争を多角的に描く作品として、「裏側のドラマ」に位置づけられます。

アムロやシャアのような英雄が目立つ正史とは異なり、無名の兵士たちの戦いを通して、戦争の現実を浮き彫りにしているのが特徴です。

彼らの物語が、シャアやアムロが歩んでいる宇宙の戦いとどのように繋がっていくのか――それを想像する余白が、本作の深みをより一層引き立てています。

アニメーション技術も注目｜Unreal Engine 5による表現とは

『ジークアクス』が注目を集めている理由のひとつが、Unreal Engine 5（UE5）を使用した最新の3DCGアニメーション技術です。

これまでのガンダムシリーズとは一線を画す映像表現は、リアリズムと没入感において新たな次元へと到達しています。

まるでゲームシーンのような動的カメラワークや質感表現は、視聴者に「戦場に立っているかのような臨場感」をもたらします。

3DCGで描かれるモビルスーツの“重さ”と“存在感”

UE5による描写では、モビルスーツの動きに微細な振動や質量感が再現されており、巨大な兵器としてのリアリティがこれまで以上に強調されています。

金属の質感、摩耗、汚れなども忠実に描写され、兵器ではなく「戦場に生きる機械」としてのモビルスーツを視覚的に感じることができます。

特に、暗所や夜戦シーンでは光源のリアルな挙動が加わり、没入感が飛躍的に向上しています。

戦場の空気感まで再現された圧倒的ビジュアル

Unreal Engine 5は、物理ベースレンダリング（PBR）やライティング機能に優れており、本作では戦場の土煙や雨、爆風、破壊された地形といった細部までが緻密に描写されています。

背景の遠景描写も動的に変化し、まるでドキュメンタリーを見ているかのようなフォトリアルな戦場が展開されます。

これにより、従来のアニメ表現では難しかった「現実と錯覚する映像体験」が実現されました。

『ジークアクス』を見るには？配信情報まとめ

『機動戦士ガンダム ジークアクス（GUNDAM: Requiem for Vengeance）』は、Netflix独占配信のオリジナルネットアニメ（ONA）として展開されており、劇場公開やTV放送とは異なる視聴スタイルが採用されています。

ここでは、いつから・どこで・どうやって見られるのかをまとめてご紹介します。

また、無料視聴の可能性や関連作品の配信状況にも触れていきます。

Netflixで2024年10月より全世界同時配信開始

『ジークアクス』は2024年10月17日よりNetflixで全6話一挙配信されることが発表されています。

これは週刊放送型ではなく、一気見が可能な形式のため、視聴者は自分のペースで物語を楽しむことができます。

また、日本語音声だけでなく、多言語の字幕・吹替も用意されており、海外のファンからの注目度も高い作品です。

地上波・BS放送の予定は現在なし

2025年6月現在、『ジークアクス』のテレビ放送（地上波・BS）の予定は発表されていません。

そのため、視聴にはNetflixの契約が必須となります。

バンダイチャンネルやABEMA、U-NEXTなどの配信サービスでも現時点では予定されておらず、他のVODでの展開は今後に期待といったところです。

無料で見る方法はある？体験プランや注意点

Netflixでは、無料トライアルがかつて存在していましたが、現在は新規ユーザー向けの無料視聴は廃止されています。

そのため、合法的に視聴するにはいずれかの有料プラン（月額790円〜）に加入する必要があります。

ただし、家族アカウントの共有機能などを活用することで、コストを抑えて視聴する方法はあります。

公式からの配信を通して視聴することで、今後のシリーズ展開や続編制作を支援することにもつながります。

『ジークアクス』とは何だったのか？作品が提示するテーマ

『ジークアクス』は、ガンダムシリーズの中でも異彩を放つ作品です。

「モビルスーツ同士のバトル」や「主人公ガンダムの活躍」といった定番要素を抑えつつ、その奥にある“戦いの意味”を問い直す重厚なテーマ性を持っています。

本作を観終えたとき、視聴者は「戦うとは何か」「正義とは誰のものか」という普遍的な問いと向き合うことになるでしょう。

“復讐”というタイトルに込められた多層的な意味

原題『Requiem for Vengeance（復讐への鎮魂歌）』には、単なる復讐劇という枠を超えた深い意図が込められています。

ジオン側の視点で描かれる復讐は、単なる敵討ちではなく、戦争そのものに翻弄された人々の怒りと悲しみの象徴です。

復讐を果たしたところで何が残るのか――それに答えるかのように、本作は「赦し」や「終わりなき連鎖」といったテーマも同時に描いています。

敵味方を超えた人間ドラマと戦争のリアル

『ジークアクス』では、ジオン・連邦どちらの側にも人間らしいキャラクターが存在し、戦場に立つ者すべての苦悩が描かれます。

ある者は命令に忠実であろうとし、ある者は仲間を守ろうとし、ある者は愛する家族のために戦います。

それぞれの動機や信念が交錯することで、単なる勧善懲悪ではない多層的な戦い劇が成立しています。

「正義」は誰が決めるのかという問いかけ

本作では、視点が変われば“正義”も変わるという価値観が何度も示唆されます。

これは、シャアやアムロのようなカリスマ的キャラクターを通さずとも、無名の兵士の姿から伝わってくるメッセージです。

最後に残るのは、勝者か敗者かではなく、「何を信じて戦い、何を守れたのか」という静かな問いかけ。

それこそが、『ジークアクス』が提示する最大のテーマと言えるでしょう。

『ジークアクス』あらすじ・キャラ・世界観まとめ

『機動戦士ガンダム ジークアクス』は、一年戦争の裏側を描く全く新しい視点のガンダム作品です。

東ヨーロッパを舞台に、無名のジオン兵たちの葛藤や覚悟を描いた物語は、視聴者に“戦争とは何か”を問い直す力を持っています。

映像表現にはUnreal Engine 5を用い、これまでのガンダムシリーズとは一線を画す没入感とリアルさを実現しています。

登場キャラクターたちは決して「正義」や「悪」では語れず、各々の背景と信念が丁寧に描写されているのも本作の魅力。

主人公イリア・ソラリをはじめとするジオン側の視点は、これまでの連邦中心のガンダム像に風穴を開ける試みとも言えるでしょう。

「赤い彗星」シャアやアムロ・レイのような象徴的存在に直接は頼らずとも、宇宙世紀という大きな時代の流れの中に、確かな“もう一つの戦い”を刻み込んだ作品です。

『ジークアクス』は、ガンダム初心者にもシリーズファンにも刺さる異色作。

まだ観ていない方は、ぜひこの“復讐と鎮魂の物語”に触れてみてください。

そして、すでに観た方には再視聴をおすすめします。見るたびに新たな意味が浮かび上がる、それが『ジークアクス』の魅力です。